今日は、昨日の雨で本日は曇りで涼しいです。
今日の講義は、歯がなぜ動くのか?歯牙移動の不思議を講義致します。
歯の歯根には歯根膜が存在し、その厚みは0.15~0.40mmといわれています。押される側に歯根膜が圧迫され薄くなり破骨細胞が活発に反応し骨が吸収されます。また、その逆側で歯根膜が牽引され歯根膜が拡大し造骨細胞が骨の添加を起し歯が動きます。歯の移動様式には、傾斜移動(tipping movement)、歯体移動(bodily movement)、圧下(depression)、挺出(elongatiom)、回転(rotaion)、トルク(torque)があります。歯体移動やトルクの移動は装置の選択や力の強さも難しく、歯を動かす場合にどのような力でも良いわけではありません。強すぎる力では、かえって歯の動きが悪く、弱すぎると歯が動きません。歯にはそれぞれ適切な力で最大量に移動する力の量があります。そのそれぞれの歯に適した力があります。その力の差を利用してそれぞれの歯に力をかけます。これを差動矯正力といいます。矯正治療が難しいのは、この差動矯正力を理解するのに時間、経験が必要になるためです。