高齢化社会における歯科医療の役割〜日本歯科医師会雑誌2月号から〜
『1950年の日本人の平均寿命は60歳であったが、それが今では男女平均で82歳ぐらいになっている。わずか60年で平均寿命が20年以上も延びている。問題なのは前述のように平均寿命が伸びている中で、健康寿命のほうが72歳で尽きるということである。つまり、人生の最後の平均10年間は、計算上は何らかの要介護の状態で生をおくることとなる。…』
健康寿命とは
活動的で心身ともに自立した状態で生存できる期間の事です。
心身ともに自立した高齢者は、なかなかいるものではありません。
年老いてくれば誰もが、様々な疾患に煩わされます。
足、腰、背中などの外見でわかる疾患から、心臓、肝臓、…内面的な疾患や心の病など…数え上げればきりがありません。
『健康でない期間、これが社会にとっても家族にとっても負担という大きな課題を抱えることになるのは言うまでもなく、健康寿命が延びて健康な高齢者が増加することは逆に要介護者が減少することであり…………』
確かに、介護を受ける人が減ることは超高齢社会にとってこの上ない事ですね。介護される方も、介護されずに生活が出来る方が嬉しいのではないでしょうか?
『日本歯科医師会が主張しているのは、とにかく機能歯数を増加させることで、健康寿命を延ばす。さらに、仮に歯を失ってもきちんと咬合の確保された義歯を装着することによって健康を守れる。』
歯を丈夫にすれば直接的に健康になると言うものではありませんが、人間としての基本的な営み(食べるということ)が出来ない(歯が悪くて食事が出来ない)人があまりにも多いのが現状ではないでしょうか?
『…われわれ歯科医師がかかわれる行為は多様にありそれに向かう努力を続けること。それが、日本の超高齢社会に対する歯科医療の大きな役割だと考える。』
歯科医師会の「8020」運動がもっと定着してゆけば、いつまでも健康な高齢者が増えるかもしれませんね。
平成25年2月発行 日本歯科医師会雑誌2月号
特集 国民の生活を支える歯科医療〜歯の治療から食べる幸せへ 日本歯科医師会がいま目指すもの〜より抜粋しました。