コンパクトデジタルカメラの性能の向上により、
撮影画素数が大きくなりましたがその画素数の大きさが
写真の美しさを決定付ける物ではありません。
矯正歯科治療においては美しい写真はもとより
ピントがあった正確な口腔内写真が必要になってきます。
一枚目の写真は、左右同じ模型を撮影した写真です。
コンパクトデジタルカメラのズーム機能で
同じ条件下でも違った構図になってしまうです。
患者さんの口腔内を忠実に記録する為にも
ズーム機能のちょっとしたヒントをご紹介します。
上の写真の様に彎曲して撮影された写真を何度か見たことがあります。
正面側切歯の部分が突出し、
少しハレーションをおこしています。
この画像の彎曲と明るさの原因は
デジタルカメラの「レンズの収差」によるものです。
解説すると難しくなるので省きますが、
解消方法は意外と簡単なのでご紹介します。
デジタルカメラにはズーム機能が必ずついています。
W側とT側でレバーを振り分けるのですが
W側にすると遠くなり、T側にすると近くなります。
口腔内を撮影する場合、W側にしたまま
カメラ本体を患者さんに近づけることで
「レンズの収差」が発生し画面が歪んでしまいます。
このゆがみを発生させない為に口腔内写真の撮影は
ある一定の距離を保って撮影する様に心がけて下さい。
ある程度の光量と画像解像度があれば撮影された写真データを
修正することは可能ですが、歪んだ写真を修整することは無理なのです。
写真いっぱいに口腔内をできるだけアップで撮影するには、
距離を維持したまま、ズーム機能を使う事によって歪みは解消されます。
欲を言えば三脚で位置を決め撮影すれば
より正確な口腔内を記録することができます。
最近のカメラは画素数が大きくピントさえ合っていれば
トリミングも可能ですので、
撮影後にkeynoteやパワーポイントで修正するのも良いかもしれませんね。